遠藤薫研究室 
Kaoru Endo's Lab

遠藤薫

現職
学習院大学名誉教授
専門分野
理論社会学 / 社会情報学 / 社会シミュレーション
研究テーマ
社会変動論 / 社会システム論 / 情報基礎論 / メディア論 / グローバリゼーション / 文化変容

プロジェクト

課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業・領域開拓プログラム「リスク社会におけるメディアの発達と公共性の構造転換~ネットワーク・モデルの比較行動学に基づく理論・実証・シミュレーション分析」(研究代表者:遠藤薫)(2014〜2017)

プロジェクトの目的

課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業・領域開拓プログラム「リスク社会におけるメディアの発達と公共性の構造転換~ネットワーク・モデルの比較行動学に基づく理論・実証・シミュレーション分析」(研究代表者:遠藤薫)(2014〜2017)
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学習院大学東洋文化研究所助成プロジェクト「日本近世から近代における〈国家〉意識の文化的諸問題とアジア」(研究代表者:遠藤薫)(2015~2017)

学習院大学東洋文化研究所助成プロジェクト「日本近世から近代における〈国家〉意識の文化的諸問題とアジア」(研究代表者:遠藤薫)(2015~2017)

プロジェクトの目的

東日本大震災は日本社会に深甚な衝撃をもたらし、3年以上経過したいまでも、 一部を除いて、「復興」というにはほど遠い状態が続いている。被災地を訪問しても、人影はまばらであり、ただ、整地などの土木作業が淡淡と行われているように見える。  当然、それぞれのコミュニティでは真摯な議論がなされており、「共同体の絆」 あるいは「日本社会の絆」が強調される。しかしその一方で、社会の高齢化や日本経済の不振とも関連して、格差拡大論や限界集落論も取りざたされ、日本社会全体はおろか、被災した地域でも、意識の差は大きい。この点については、申請者である遠藤薫が2012年に実施した大規模社会意識調査からも明らかになっている。  震災を契機とした、日本社会の亀裂の露呈は、われわれの目を、あらためて日本の地域共同体の構造と変容のダイナミズムの再検討へと向かわせる。  いうまでもなく、日本は世界で有数の地震多発地帯にあり、歴史上、繰り返し大震災に見舞われてきた。江戸期にも、新井白石、菅江真澄らの知識人たちは、自然災害とその地域共同体に与える影響について論じており、明治以降は、柳田国男、南方熊楠、寺田寅彦、宮本常一、有賀喜左衛門らが様々な視点から記録を残している。なかでもとくに注目されているのは、「先祖」と「コミュニティ」の関係である。伝統的コミュニティでは、祖霊(死者)との共生(シナジー)の意識が、コミュニティの核をなし、また被災からの復興の契機ともなってきたことは、これら先行研究に共通する認識である。  現代においては、祖霊祭祀の意識は弱くなりつつあるが、それでも、大震災後の様々な慰霊行事には、「逝きし者たちと生き残った者たち」とを結ぼうとする希求がいろいろな形で現れている。「東北六魂祭」のような盆祀り、「震災遺構」をめぐる思い、地域寺社の活動、あるいは「被災地観光」の試みにも、そうした心性が窺われる。  本研究は、この「死者と生者の共生」という観点から、日本のコミュニティのシステム変容を捉え直し、モデル化することにより、震災からの復興を、より深い地点から理解し、日本社会への長期的かつ具体的な提言を行うことを目的とする。

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課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業・領域開拓プログラム「リスク社会におけるメディアの発達と公共性の構造転換~ネットワーク・モデルの比較行動学に基づく理論・実証・シミュレーション分析」(研究代表者:遠藤薫)(2014〜2017)

課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業・領域開拓プログラム「リスク社会におけるメディアの発達と公共性の構造転換~ネットワーク・モデルの比較行動学に基づく理論・実証・シミュレーション分析」(研究代表者:遠藤薫)(2014〜2017)

プロジェクトの目的

課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業・領域開拓プログラム「リスク社会におけるメディアの発達と公共性の構造転換~ネットワーク・モデルの比較行動学に基づく理論・実証・シミュレーション分析」(研究代表者:遠藤薫)(2014〜2017)

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学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災後の被災地におけるソーシャルメディアを活用した地域活性化と公共性構築のための広報のありかたに関する研究」(研究代表者:遠藤薫)(2015~2016)

学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災後の被災地におけるソーシャルメディアを活用した地域活性化と公共性構築のための広報のありかたに関する研究」(研究代表者:遠藤薫)(2015~2016)

プロジェクトの目的

 東日本大震災から約3年半が経過した。しかし、被災地の復興は遅々として進まず、大規模土木工事に巨額の予算がつぎ込まれているにもかかわらず、被災地に生活のにおいが戻って来たとは言いがたい。「震災の風化」もささやかれるなか、被災地の復興支援はますます重要である。  しかし、東日本大震災が未曾有の災害であること、今後も、南海トラフなどの災害の発生が予想だれること、災害時の情報流通の重要性が高いこと、現在、社会的コミュニケーションの中心が既存マスメディアからインターネット/ソーシャルメディアへとシフトしつつあることを考えれば、このテーマの研究を、これまでの蓄積を踏まえて、さらに深化させることが社会的、学問的にきわめて重要である。  とくに、災害によって高齢化と人口減少がいっそうすすみ、被災地の限界集落化が問題となるなか、高齢者にもわかりやすく入手しやすい地域広報活動は必須である。またその情報提供の回路として、ソーシャルメディアなどの活用が重要であることも論を待たない。  本研究の目的は、東日本大震災時も新しくかつレジリエントな情報回路として注目を集めたソーシャルメディアなど新しいICTを、被災地の復興と地域活性化に役立て、高齢化や人口減少の進むコミュニティの公共性の基盤とする方策を検討することにある。

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昭和記念館助成プロジェクト「東日本大震災被災地域における地域共同体の復興と慰霊祭祀 −−「死者−生者」シナジーの視点から社会システム変容と再構築を考える」(研究代表者:遠藤薫)(2014~2015)

昭和記念館助成プロジェクト「東日本大震災被災地域における地域共同体の復興と慰霊祭祀 −−「死者−生者」シナジーの視点から社会システム変容と再構築を考える」(研究代表者:遠藤薫)(2014~2015)

プロジェクトの目的

グローバリゼーションの時代、日本ではとくに東日本大震災という未曾有の災禍を経て、いま改めて、「社会的なるもの」あるいは「国家」の意味と意義が問われている。  日本においては、「近代国家」の概念は、19世紀半ばから世界的に高まったグローバリズムの激しい潮流の中で、欧米で発展した「国家」モデルを範として、構成されたといえる。  とはいうものの、それが日本社会に移植されるプロセスには、それ以前から近世日本で構想されてきた「国家」概念(意識)、あるいは、庶民レベルで潜在的もしくは顕在的にイメージされてきた「くに」感覚などの混入があることは当然である。  また、明治以降、欧米的「近代国家」形式の導入後も、それは、導入されたモデルをそのまま適用したわけではなく、当時の社会への適応、また適用後の変容(ナショナライゼーションやローカライゼーション)をともなうものであったこともいうまでもない。  こうした雑種化(ハイブリダイゼーション)は、「近代国家」のグローバル化が、個別国家や個別地域の固有性(ナショナル・アイデンティティ、ローカル・アイデンティティ)の追求、あるいは、「国家」の再構成(ナショナリズム)、「地域」の再編成(ローカリズム)と並行して行われるものであるというパラドックスと、表裏の現象でもあった。  本研究では、このような日本社会の動向を、中国、韓国など近隣アジア諸国の動きと比較しつつ、また当時の来日欧米人の見方を検討しつつ、そのダイナミズムを分析、解明しようとするものである。  本研究は、21世紀グローバリゼーションの中で改めて「国家」を再検討するという現代喫緊の課題を、19世紀グローバリゼーションのプロセスから逆照射し、その本質を捉えることを目的とする。

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学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災後の社会におけるソーシャルメディアを活用した民主主義的ガバナンスのありかたに関する研究」(研究代表者:遠藤薫)(2014~2015)

学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災後の社会におけるソーシャルメディアを活用した民主主義的ガバナンスのありかたに関する研究」(研究代表者:遠藤薫)(2014~2015)

プロジェクトの目的

 東日本大震災から約2年半が経過した。しかし、被災地の苦しみはいまも続き、復興策も迷走を続けている。一部には大震災を過去のものとするような風潮も見られるが、東日本大震災から学ぶべきことはさらに深くなっている。  申請者は、とくに災害時のメディア利用に着目し、発災時のメディア報道について可能な限りリアルタイムに記録し、分析を開始した。さらに新たな情報獲得手段としてのソーシャルメディアの利用状況について、2012年度計算機センター特別研究プロジェクトの助成を受け、分析を行った。さらに2013年度も計算機センター特別研究プロジェクトの助成を受け、大震災にかかわる世論形成とソーシャルメディアの関係について分析を行った。それらの成果は、国際会議や学術会議での招待講演、学会報告、数多くの論文として精力的に公表されており、今後もさらに多くの発表を予定している。  しかし、東日本大震災が未曾有の災害であること、今後も、南海トラフなどの災害の発生が予想だれること、災害時の情報流通の重要性が高いこと、現在、社会的コミュニケーションの中心が既存マスメディアからインターネット/ソーシャルメディアへとシフトしつつあることを考えれば、このテーマの研究を、これまでの蓄積を踏まえて、さらに深化させることが社会的、学問的にきわめて重要である。  また、ソーシャルメディアの発展は、個人の情報活動の範囲を大幅に拡大し、新たなジャーナリズムを期待させる一方、風評被害の蔓延、ネットを介した誹謗中傷、ヘイトスピーチなどの問題も大きくなりつつある。一方で秘密情報保護の政策があり、また他方では、情報公開の必要性も高まるという、錯綜した問題状況が今眼前に展開している。  本研究の目的は、東日本大震災で注目を集め、また2013年参議院選挙ではネット選挙の解禁というかたちで活用の領域が広がったソーシャルメディアなど新しいメディアを、いかに適切に社会の中に組みこみ、民主主義の基盤として活用しえるかを明らかにするものである。

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学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災後の社会復興に向けた、ソーシャルメディアを介した世論形成の分析」(研究代表者:遠藤薫)(2013~2014)

学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災後の社会復興に向けた、ソーシャルメディアを介した世論形成の分析」(研究代表者:遠藤薫)(2013~2014)

プロジェクトの目的

 東日本大震災から約1年半が経過した現在も、日本の社会システムの混乱は続いている。  申請者は、とくに災害時のメディア利用に着目し、発災時のメディア報道について可能な限りリアルタイムに記録し、分析を開始した。さらに新たな情報獲得手段としてのソーシャルメディアの利用状況について、2012年度計算機センター特別研究プロジェクトの助成を受け、分析を行って、それらはすでに何本かの論文として公表予定である。  しかし、復興に向けてなおも考えるべきことは多い。  ICTを利用した住みやすい仮設住宅(スマートハウス)、新しく復興される地域共同体へのインフラ整備(スマートシティ)、なども緊急の社会的課題である。  こうした問題について、技術偏重ではなく、「社会」の根本からの問い直しを行いつつ、真に人間らしい社会、災害にも強いレジリエントな社会の設計を行う必要がある。  そのために、社会学的視座、またコミュニケーション論的な視座にたった調査、分析、政策提言が重要である。  社会復興が、トップダウン型で決定されるべきものではなく、まさに被災された方々によるボトムアップ型として成し遂げられるには、民主主義的な合意形成のあり方が守られねばならない。すなわち、状況判断に必要な情報の開示、それらのわかりやすい提示、人びとの議論の場(公共圏)の形成をいかに可能とするかの研究が喫緊の課題となる。  本研究の目的は、まさにこのプロセスを、東日本大震災でも注目を集め、また2012年アメリカ大統領選挙、韓国大統領選挙でも大きな役割を果たしたソーシャルメディアと、マスメディアとの連結(スマートメディア)としていかに構成するかを明らかにしようとするものである。

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学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災におけるソーシャルメディア利用の分析」(研究代表者:遠藤薫)(2012~2013)

学習院大学計算機センター助成プロジェクト「東日本大震災におけるソーシャルメディア利用の分析」(研究代表者:遠藤薫)(2012~2013)

プロジェクトの目的

 東日本大震災は、日本の社会システムの脆弱性を露わにし、われわれに社会とのリアルな対峙を要請している。  今回の大震災では、とくに情報伝達に様々な問題が生じた。初期には、停電、通信遮断などによって、被災地はもとより首都圏においても、情報が届かないことによる困難や混乱が見られた。  その中で、新しい情報回路であるインターネットを介したソーシャルメディアが注目を集めた。  1995年に発生した阪神大震災では、パソコン通信が注目を集めた。東日本大震災におけるソーシャルメディアへの注目は、その時と似ている面と似ていない面がある。  似ている面としては、わずかに生き残っている情報回路として利用されたこと(当然、もっとも被害が大きかった地域では利用不可能であったが)、国内だけでなく、世界への情報発信と世界からの、個人対個人のコミュニケーションが大きな社会的影響力をもったことといえよう。  また、異なる点としては、  1.インターネットの普及率が極めて高くなっており、ネットメディアの影響力がマスメディアに匹敵するほどになりつつあるという状況  2.ネットメディアとマスメディアの相互作用も多くなっている  3.政府、自治体、企業などの一次情報源もネットを介して直接情報発信している  4.個人による情報発信が大きな役割を占めつつある。たとえば、 * 災害の現場情報を被災者自身が発信する * 自治体の長が世界に向けてメッセージを発信する * 専門家が直接科学的知識を提供する、など。  こうした現状を社会学的に分析することにより、今後のソーシャルメディアの安心・安全な活用についての知見を得ることを目的とする。

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